法定相続人の決まり方、相続の順番、そして受け取る割合について、具体例を交えてわかりやすく解説します。相続手続きの第一歩として必ず知っておきたい基本知識です。
更新日:2026-03-31
法定相続人とは、法律で決められた相続を受け取る権利がある人のことです。亡くなった人が遺言書を残していない場合、この法定相続人が遺産を分け合うことになります。
例えば、お父さんが亡くなった場合、お母さんとお子さんたちが法定相続人になります。ただし、誰もが相続できるわけではなく、法律で定められた優先順位があります。この優先順位を理解することが、相続手続きを進める上で非常に大切です。
最初に相続を受け取る権利を持つのは、配偶者(夫または妻)と子どもです。配偶者は常に相続人になり、子どもがいればその子どもたちと一緒に相続します。
具体例として、お父さんが3000万円の遺産を残して亡くなり、お母さんと子ども2人がいる場合を考えてみます。この場合、お母さんが1500万円、お子さん2人がそれぞれ750万円ずつ受け取ることになります。子どもが複数いる場合は、その人数で均等に分けます。
子どもがいない場合は、次に親が相続を受け取る権利を持ちます。両親がともに存命であれば、配偶者と両親で遺産を分けます。
たとえば、お子さんがいない60代のご夫婦で、ご主人が2000万円の遺産を残して亡くなったとします。ご主人のお母さんがまだ存命の場合、奥さんが1333万円、お母さんが667万円を相続することになります。親が複数いる場合は、その人数で均等に分けることになります。
子どもも親もいない場合は、兄弟姉妹が相続を受け取ります。ただし、兄弟姉妹がいない場合は、その子ども(亡くなった方の甥や姪)が相続することもあります。
例えば、子どもがなく、親も亡くなっている70代の方が1000万円を残して亡くなった場合、配偶者が750万円、兄弟姉妹2人がそれぞれ125万円ずつ受け取ることになります。兄弟姉妹が相続を受け取るケースは少ないですが、独身の方や子どもに恵まれなかった方の場合に関係してきます。
配偶者は常に相続人となり、その割合は相続人の構成によって変わります。配偶者が受け取る割合は次のようになります。
・子どもがいる場合:遺産の2分の1
・親のみがいる場合:遺産の3分の2
・兄弟姉妹のみの場合:遺産の4分の3
つまり、配偶者がいるほど、配偶者の取り分が大きくなるということです。これは法律で配偶者の生活を守るための配慮となっています。
法定相続人が決まったら、相続人全員で話し合い(遺産分割協議)を行い、誰がどの遺産をいくら受け取るかを決めます。この話し合いで合意したら、遺産分割協議書という書類を作成します。
銀行や不動産の名義変更手続きには、この遺産分割協議書が必要になります。相続人全員が署名・押印して、それぞれの住所を記載する必要があります。話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に調停や審判の申し立てをすることもできます。
相続が発生したら、まず法定相続人が誰かを明確にすることが大切です。そのためには、亡くなった方の出生から死亡までの戸籍謄本を取り寄せる必要があります。これは結婚や転居で複数の市区町村に分かれていることもあります。
相続税がかかる場合は、相続を知った日から10か月以内に税務申告をしなければいけません。また、相続放棄や限定承認を希望する場合は、相続を知った日から3か月以内の家庭裁判所への申し立てが必要です。専門家に相談することをお勧めします。
⚠️ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の状況については、年金事務所・市区町村の窓口・専門家にご相談ください。