国民年金と厚生年金の仕組み、受け取り額、加入条件の違いを60代70代向けに分かりやすく説明します。
更新日:2026-03-31
この記事の目次
日本の年金制度は大きく2つに分かれています。1つは「国民年金」で、もう1つは「厚生年金」です。
国民年金は、日本に住んでいる20歳から60歳までのすべての人が加入する基本的な年金です。自営業者や農業を営まれていた方、また主婦の方などが加入されています。
一方、厚生年金は、会社や公務所に勤めていた方が加入する年金です。給与から自動的に天引きされていました。
この2つの制度は、加入する人が異なり、受け取る金額も異なります。あなたがどちらに加入していたかで、現在の年金額が決まっているのです。
令和6年度の例をご説明します。国民年金だけに加入されていた方の受け取り額は、満額で月額約6万8,000円です。40年間きちんと保険料を払い続けた場合のお金です。
一方、厚生年金に加入されていた方は、国民年金の基本額に加えて、勤めていた時の給与や勤続年数に応じた上乗せ部分を受け取ります。例えば、平均的な給与で30年勤めた方であれば、月額15万〜20万円程度になることが多いです。
ご自身がどちらの制度に加入していたかで、大きく受け取り額が変わってきます。正確な金額は、毎年送られてくる「年金定期便」で確認できます。
国民年金に加入されている方は、ご自身で毎月保険料を納めます。令和6年度は、毎月約1万6,980円です。
厚生年金に加入していた方は、会社と折半で負担していました。つまり、給与から天引きされていた分は、会社がもう同じ金額を負担していたのです。このため、同じ保険料でも自分で払う額は半分で済んでいました。
また、会社が多く負担していた分、年金の受け取り額も多くなる仕組みになっています。つまり、会社からの支援を受けた分が、そのまま年金の上乗せとなって現れるのです。
どちらの年金でも、65歳から受け取ることができます。ただし、加入期間が10年以上ないと、年金を受け取ることができません。
国民年金は20歳から60歳までの40年間が満額の期間です。途中で保険料を納めない期間があると、その分だけ受け取り額が減ります。
厚生年金は、勤めていた期間がそのまま加入期間となります。給与から自動的に引かれていたため、加入手続きの心配はありません。
現在60代70代の方で、加入期間が足りない場合は、65歳になるまで任意で保険料を納めることもできます。これを「任意加入」といいます。
はい、できます。これを「繰り上げ受給」といいます。60歳から65歳になるまでの間でしたら、年金を先に受け取ることができます。
ただし注意が必要です。65歳より早く受け取る場合、1ヶ月早めるごとに0.4%ずつ減額されます。例えば、5年早い60歳で受け取る場合、受け取り額は24%減になります。
反対に、65歳から遅く受け取ることもできます。これを「繰り下げ受給」といい、1ヶ月遅めるごとに0.7%ずつ増額されます。70歳で受け取り始める場合は、月額が約42%増えます。
ご自身の寿命をどう見積もるかで、選び方が変わってきます。
ご主人やご家族が亡くなった場合、遺族年金が出ることがあります。この制度も、国民年金と厚生年金で異なります。
厚生年金に加入していた方が亡くなった場合、ご遺族は比較的高い遺族年金を受け取れることが多いです。例えば、お子さんがいる妻であれば、月額10万〜15万円程度になることもあります。
国民年金の場合は、亡くなった時点で保険料納付期間が一定以上あれば、お子さんのいない妻は対象外です。お子さんがいる場合だけ受け取れます。
人生設計を考える際に、この遺族年金の有無も大切な要素となります。
自分がどちらの年金を受け取っているか、また正確な金額がいくらなのかを確認することが大切です。
まず、毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」をご覧ください。現在までの加入状況と、65歳からの予想受け取り額が書かれています。
また、年金手帳や年金証書を見ても、加入していた制度がわかります。年金手帳は青い色なら国民年金、茶色なら厚生年金です。
もし分からないことがあれば、お近くの年金事務所や市役所の窓口で気軽に相談してください。職員が親切に説明してくれます。
⚠️ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の状況については、年金事務所・市区町村の窓口・専門家にご相談ください。