国民年金の免除制度の仕組み、申請方法、デメリットを分かりやすく解説。60代70代が知っておくべき将来の受給額への影響も紹介します。
更新日:2026-04-05
年金の免除制度とは、経済的な理由で国民年金の保険料が払えない方を対象に、保険料の支払いを免除してもらえる制度です。
完全に免除される場合と、4分の3・半額・4分の1だけ支払う部分的な免除があります。例えば、月額16,520円の保険料が全額免除されると、その月の負担がゼロになるわけです。
この制度は「払えない時期がある」という状況を想定して、年金制度全体を守るために作られています。保険料を納めなくても、年金に加入している状態が続くため、万が一の障害や死亡時の給付も対象になります。
国民年金の免除には4つの段階があります。
【全額免除】月16,520円の保険料が全てカットされます。
【4分の3免除】約4,130円の支払いで済みます。
【半額免除】約8,260円の支払いになります。
【4分の1免除】約12,390円の支払いになります。
申請基準は前年度の所得が基準額以下かどうかで判定されます。例えば、単身世帯で全額免除の場合、年間所得が57万円以下が目安です。失業、病気、災害など特別な事情がある場合は、所得基準が緩和されることもあります。
重要なのは、申請しなければ免除は受けられないという点です。自動的には適用されません。
年金の免除申請は、毎年7月から6月までが対象期間です。申請は市役所の国民年金担当窓口で行います。
【必要な書類】
・国民年金免除申請書(窓口で用意)
・本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
・認め印
・失業の場合は離職票など特別な事情を証明する書類
65歳以上の方で既に年金を受給している場合、免除申請自体ができないケースもあります。詳しくは市役所で確認してください。
オンライン申請も可能な自治体が増えていますので、足腰に不安がある方は問い合わせてみてはいかがでしょうか。
最も気になるポイントが、免除を受けた期間の年金受給額です。
【免除期間の扱い】
・全額免除:受給額が1/2に減る
・4分の3免除:受給額が5/8に減る
・半額免除:受給額が3/4に減る
・4分の1免除:受給額が7/8に減る
例えば、40年間(480ヶ月)保険料を納めると月額約65,075円の基礎年金が受け取れます。そのうち12ヶ月が全額免除期間だった場合、約2,000円の受給額が減ります。
ただし、免除を受けた後、経済状況が改善して保険料が納められるようになった場合、「後納制度」で最大10年間の免除期間の保険料を後から納めることができます。これにより、年金額を増やすことが可能です。
【メリット】
経済的に苦しい時期でも年金制度に加入し続けられることが最大のメリットです。保険料を払えない期間でも、「納付済み期間」として計算されるため、老齢年金を受け取る際に必要な加入期間(25年から10年に短縮)をクリアできます。また、万が一の障害や家族の死亡時に遺族年金や障害年金を受け取れる保障が続きます。
【デメリット】
受給額が減ることが主なデメリットです。全額免除で12ヶ月あると、約24,000円年間受給額が減ります。長期間の免除は将来の生活費に影響するため、可能であれば保険料を納めることをお勧めします。
ただし、払える状況に変わった時の後納制度の活用で、ある程度の減額を回避できます。
「免除を受けると年金がもらえなくなるのか」という質問をよく受けます。決してそうではありません。免除期間があっても、基本的には年金は受け取れます。ただし受給額が減ります。
「配偶者や親に扶養されている場合、免除は使えるか」も重要な質問です。配偶者控除の対象になっていると、免除申請が通らない可能性があります。詳しくは市役所に相談してください。
「既に年金をもらっている場合、免除申請できるか」という質問も多いです。基本的には年金受給後は免除申請ができませんが、例外があるため窓口で確認が必要です。
申請期限は毎年6月30日です。過ぎると翌年度の申請になるため注意してください。
A. 市役所窓口では国民年金免除申請書、本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証)、認め印を用意してください。失業や病気など特別な事情がある場合は、それを証明する書類(離職票など)も必要です。詳しくは事前に市役所にお問い合わせください。
A. 全額免除12ヶ月で約24,000円、半額免除12ヶ月で約12,000円年間受給額が減ります。40年納めた場合、基礎年金が月約65,075円ですので、免除期間の割合で計算されます。後納制度で後から保険料を納めれば減額を回避できます。
A. 基本的には65歳以上で年金を受給している場合、免除申請はできません。ただし、例外的に特定の条件下で申請可能な場合があります。詳しくは市役所の国民年金担当窓口で確認してください。個別の状況により判断が異なります。
A. はい、「後納制度」を使って最大10年間さかのぼって保険料を納められます。免除期間の保険料を後から納めると、その期間の年金額が増えます。ただし時効があるため、できるだけ早めに市役所に相談することをお勧めします。
A. 毎年6月30日が申請期限です。申請対象期間は7月から翌年6月までです。期限を過ぎると翌年度の申請になるため、なるべく早めに市役所窓口で手続きしてください。郵送申請も可能な自治体があります。
A. 配偶者控除の対象になっている場合、免除申請が承認されない可能性があります。配偶者の所得によって判定が異なります。詳しくは市役所で相談し、自分の状況が免除対象になるか確認することをお勧めします。
⚠️ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の状況については、年金事務所・市区町村の窓口・専門家にご相談ください。