60代70代向け。老後に必要な資金の目安、年金との差額、貯蓄以外の対策方法を分かりやすく解説します。具体的な金額と現実的な準備方法をご紹介します。
更新日:2026-04-05
総務省の統計によると、60歳以上の夫婦二人世帯の平均的な月間生活費は約27万円です。これは食費、光熱費、医療費、交通費などを含んでいます。
一人暮らしの場合は月額15万円程度が目安となります。ただし、生活スタイルや地域によって変わってきます。都市部では少し高めになる傾向があります。
老後が30年間続く場合、二人世帯では27万円×12ヶ月×30年=9,720万円が必要になります。この大きな数字を見て驚かれるかもしれませんが、すべてを貯蓄で用意する必要はありません。年金収入がこの中から補われるからです。
厚生労働省のデータでは、会社員だった方の平均的な年金額は月額約22万円です。一方、夫婦二人の生活費が月27万円ですから、毎月約5万円の不足が生じます。
この不足額が30年続くと、5万円×12ヶ月×30年=1,800万円の足りなくなる計算です。これが「老後資金2,000万円問題」と言われる理由です。
ただし、この数字は目安であり、実際の必要額はあなたの年金額や生活費によって異なります。自分の年金見込み額を知ることが、まず最初のステップになります。日本年金機構のホームページから確認できます。
毎月5万円の不足を貯蓄で補う場合、1,800万円を用意するには30年かかります。しかし60歳時点で準備できていない場合は、働く期間を延ばすことが有効です。
65歳から年金を受け取り始めるのではなく、70歳まで待つことで、年金額は約42%増額されます。月22万円が31万円程度になるということです。この場合、不足額も大幅に減ります。
現在、多くの方が65歳以降も嘱託やパートで働いて、足りない生活費を補っています。完全に仕事をやめるのではなく、無理のない範囲で働き続けることが現実的な選択肢になっています。
持ち家がある場合、「リバースモーゲージ」という制度が利用できます。これは自宅を担保に金融機関から毎月お金を借りる仕組みです。亡くなった後に自宅を売却して返済するため、生活費に充てることができます。
土地や建物を所有している場合は、賃貸に出して家賃収入を得る方法もあります。月5万円程度の収入でも、年間60万円になり、大きな助けになります。
また、退職金が用意できていれば、それを計画的に取り崩す方法もあります。退職金を年金の繰り上げ受け取りに使わず、貯蓄として保管し、毎年少しずつ引き出すというやり方です。銀行の低金利下でも、安全に資金を活用できます。
老後で意外にかかるのが医療費と介護費です。統計では、高齢者の平均医療費は年間約70万円から100万円です。また、介護が必要になると月額5万円から15万円程度の自己負担が生じます。
医療費は健康保険に加入していれば、70歳以上は原則1割負担で済みます。ただし高額医療費制度(こうがくいりょうひせいど)という制度があり、一定額以上の医療費は国が負担してくれます。
介護については、介護保険(かいごほけん)に加入していれば、サービス費用の1割から3割負担で済みます。貯蓄の他に、医療保険や介護保険で備えることが重要です。65歳になるまでに、自分がどの程度の介護が必要になるか想定しておくことをお勧めします。
第一步は、ねんきん定期便で自分の年金見込み額を確認することです。このはがきは毎年誕生月に送られてきます。夫婦の場合は、二人分の金額を合計してください。
第二步は、60歳時点での貯蓄額を整理することです。銀行の通帳やタンス貯金を含め、合計いくらあるのか把握します。
第三步は、月間生活費を3ヶ月分計算してみることです。実際のあなたの生活費がいくらなのか知ることで、年金との差額が明確になります。
第四步は、年金開始年齢を決めることです。65歳開始か、70歳開始か、働く期間をどうするかを検討します。ファイナンシャルプランナーや年金事務所の相談窓口で専門家に相談することをお勧めします。
A. 夫婦二人で月27万円の生活費の場合、30年間で約9,700万円が必要です。年金が月22万円なら月5万円の不足で、30年で1,800万円を貯蓄で補う計算になります。個人差が大きいため、ねんきん定期便で自分の年金額を確認し、実際の生活費から計算することが重要です。
A. 平均的には月5万円程度の不足が生じるため、完全には難しいのが現状です。ただし持ち家で住宅ローン完済済みなら、生活費は低くなります。また定年後も働いたり、リバースモーゲージを活用したり、年金開始を70歳に遅延させて増額したりする方法で対応できます。
A. 厚生年金は60歳から受け取り始めることができますが、その場合受取額は減額されます。65歳開始では満額、70歳開始なら42%増額になります。働きながら収入補填できるなら、遅く開始するほど生涯受取額が増える仕組みです。
A. 持ち家があればリバースモーゲージ(自宅を担保に借金する制度)が使えます。土地建物があれば賃貸化して家賃収入を得ることもできます。また、定年後も働いて生活費を補うこと、年金開始を遅延させることも有効です。福祉事務所に相談する方法もあります。
A. 高齢者の平均医療費は年間70万から100万円ですが、70歳以上なら1割負担で済みます。介護が必要になると月5万から15万円の自己負担が生じますが、介護保険で1割から3割負担に抑えられます。十分な医療保険と介護保険加入が重要です。
A. ①ねんきん定期便で年金見込み額を確認、②現在の貯蓄額を整理、③3ヶ月の実生活費から月間生活費を計算、④年金開始年齢(65歳か70歳か)を検討してください。ファイナンシャルプランナーや年金事務所の無料相談窓口で専門家に相談できます。
⚠️ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の状況については、年金事務所・市区町村の窓口・専門家にご相談ください。