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相続放棄の方法|借金を引き継がないための手続き

親が亡くなったとき、借金がある場合は相続放棄という方法で引き継ぎを避けることができます。手続きの流れと期限について、わかりやすく説明します。

更新日:2026-03-31

この記事の目次

  1. 相続放棄とは何か
  2. 相続放棄の期限
  3. 相続放棄の手続きの流れ
  4. 必要な書類と費用
  5. 相続放棄の注意点

相続放棄とは何か

相続放棄とは、親や家族が亡くなったときに、その人の財産や借金を一切受け取らないことを法律に基づいて宣言する手続きです。

たとえば、お父さんが亡くなったとき、銀行からの借金が500万円あったとします。通常であれば、お子さんがこの借金を引き継ぐことになります。しかし相続放棄をすれば、借金だけでなく、預金や家などの財産も受け取らない代わりに、借金の返済義務もなくなります。

「借金だけ放棄したい」という選択肢はありません。すべてを放棄するか、すべてを受け継ぐかという二者択一になります。借金が多い場合や、関係が疎遠だった場合などに活用される方法です。

相続放棄の期限

相続放棄には重要な期限があります。亡くなった方を知った日から3ヶ月以内に手続きを完了させなければなりません。これを「熟慮期間」と呼びます。

たとえば、お母さんが1月10日に亡くなった場合、4月10日までに手続きを済ませる必要があります。この期限を過ぎてしまうと、自動的に相続人として財産と借金の両方を受け継ぐことになってしまいます。

ただし、期限が迫っている場合や、借金の状況がよくわからない場合は、家庭裁判所に「熟慮期間の延長」を申し立てることで、期間を延ばしてもらうことができます。急いで判断する必要はありませんので、わからないことがあれば専門家に相談することをお勧めします。

相続放棄の手続きの流れ

相続放棄の手続きは、亡くなった方の住所地にある家庭裁判所で行います。以下のような流れになります。

【1】必要な書類を集めます。亡くなった方の戸籍謄本、あなたの戸籍謄本、亡くなった方の住民票の除票などが必要です。役所で取得できます。

【2】家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出します。申述書には、亡くなった方の名前や亡くなった日、放棄する理由などを記入します。

【3】申述後、家庭裁判所から照会状が届くことがあります。質問に答えて返送します。

【4】問題がなければ、相続放棄が認められ、「相続放棄申述受理証明書」が交付されます。

全体の手続き期間は通常1~2ヶ月程度です。書類作成が難しければ、弁護士や司法書士に依頼することもできます。

必要な書類と費用

相続放棄に必要な書類は、おおむね以下の通りです。

・亡くなった方の戸籍謄本(出生から死亡まで)

・申述者(あなた)の戸籍謄本

・亡くなった方の住民票の除票

・相続放棄申述書(家庭裁判所でもらえます)

これらの書類を役所で取得するのに、通常1,000円~3,000円程度の費用がかかります。また、家庭裁判所への申し立て手数料として、1人あたり800円の収入印紙が必要です。

複雑な相続の場合や、書類作成に不安がある場合は、弁護士や司法書士に依頼することもできます。その場合、依頼料は事務所によって異なりますが、通常5万円~15万円程度です。わからないことがあれば、まず家庭裁判所の相談窓口に電話して、無料でアドバイスを受けることができます。

相続放棄の注意点

相続放棄をする前に、いくつか大切なポイントをお伝えします。

【遺産を受け取ると放棄できなくなる】亡くなった方の銀行預金を引き出したり、家の荷物を片付けて売却したりすると、相続を受け入れたと判断されて、相続放棄ができなくなる可能性があります。手続き前に遺産に手をつけないよう注意してください。

【次の相続人に負担が移る】あなたが相続放棄すると、借金は次の相続人(兄弟姉妹など)に移ります。そのため、他の相続人にも影響が出ることを理解しておいてください。

【期限を過ぎると手遅れ】3ヶ月の期限を過ぎると、相続放棄はできません。期限が近づいている場合は、早めに行動することが大切です。

⚠️ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の状況については、年金事務所・市区町村の窓口・専門家にご相談ください。

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