相続税がかかるかどうかは基礎控除額で決まります。基礎控除の計算方法と、相続税がかからないケースをわかりやすく説明します。
更新日:2026-04-01
相続税について聞くと、「うちは関係ない」と思う人がほとんどです。実はその通りで、相続税がかかる人は全体の8~10%程度に過ぎません。
多くの人が相続税を払わなくていい理由は、「基礎控除」という仕組みがあるからです。基礎控除とは、一定の金額までなら相続税がかからないという制度です。この制度のおかげで、普通の家庭では相続税の心配をする必要がありません。
自分の家が相続税の対象になるかどうかを知るためには、まずこの基礎控除がいくらなのかを理解することが大切です。
基礎控除の計算方法は非常にシンプルです。以下の式で求めることができます。
【基礎控除額】= 3,000万円 + 600万円 × 相続人の数
例えば、配偶者と子ども2人が相続人の場合、相続人は3人です。この場合の基礎控除は、3,000万円 + 600万円 × 3人 = 4,800万円になります。
つまり、遺産の合計が4,800万円以下なら、相続税がかかりません。もし遺産が5,000万円なら、超過分の200万円に対してだけ相続税がかかる仕組みです。
この計算は相続が発生したときに必ず確認します。自分たちの家の遺産がいくらになるのか、大体の見当をつけておくことが大切です。
基礎控除は相続人の数で変わるため、正確な相続人の人数を知ることが重要です。
相続人は民法で決められています。最優先は配偶者(妻または夫)です。配偶者がいれば、必ず相続人になります。
配偶者の次は子どもです。子どもがいれば、配偶者と一緒に相続人になります。子どもがいない場合は、親が相続人になります。親もいない場合は、兄弟姉妹が相続人になります。
よくあるケースとしては、配偶者と子ども2~3人の構成です。この場合、相続人は3~4人となり、基礎控除は4,800万円~5,400万円になります。
自分の家の相続人が誰なのか、事前に整理しておくと、遺産額の目安も立てやすくなります。
基礎控除額と比較するために、遺産の合計金額を計算する必要があります。遺産には、プラスの財産とマイナスの財産があります。
プラスの財産は、現金、預金、不動産、株式、生命保険金などです。不動産は特に注意が必要です。実際の価格ではなく、評価額で計算することになります。
マイナスの財産は、ローン、借金、葬儀代などです。これらは遺産から差し引くことができます。
例えば、現金1,500万円、預金800万円、自宅2,000万円、ローン500万円の場合、遺産は1,500 + 800 + 2,000 - 500 = 3,800万円になります。
多くの人は自宅の価値を低く見積もる傾向があります。実際の評価額を知るためには、不動産鑑定士に相談することをお勧めします。
いくつかの具体的なケースを見てみましょう。
【ケース1】夫婦で、子ども2人の場合
相続人3人のため、基礎控除は4,800万円。遺産3,000万円なら、相続税はかかりません。
【ケース2】配偶者がいなく、子ども3人だけの場合
相続人3人のため、基礎控除は4,800万円。遺産4,500万円なら、相続税はかかりません。
【ケース3】配偶者と子ども1人の場合
相続人2人のため、基礎控除は4,200万円。遺産3,000万円なら、相続税はかかりません。
日本の統計によると、遺産が5,000万円を超える家庭は全体の10%未満です。つまり、ほとんどの人は相続税を気にしなくていいということです。ただし、不動産の価値が高い地域に住んでいる場合は、注意が必要です。
遺産が基礎控除を超えた場合、相続税の申告と納税が必要になります。基礎控除を1円でも超えると、超過分に対して相続税がかかります。
相続税の申告期限は、被相続人(亡くなった人)が亡くなったことを知った日から10ヶ月以内です。この期間に申告しないと、延滞税などのペナルティがつく可能性があります。
相続税の計算は複雑です。相続人ごとに税率が異なり、配偶者には特別な控除もあります。自分で計算するのは難しいため、税理士に相談することをお勧めします。
税理士への相談は、遺産分割の方法によっても変わります。相続税を減らすための正しい遺産分割方法については、専門家に相談する価値があります。
相続税がかかるかどうかは、事前の準備で大きく変わります。今からできる準備をしておくことが大切です。
まず、自分の遺産がどのくらいあるのかを把握しましょう。預金、不動産、株式などを全部リストアップすることです。次に、相続人が誰なのかを確認します。離婚経験がある場合は、特に注意が必要です。
その後、基礎控除の計算をしてみてください。「うちは大丈夫」と思っていても、実は相続税がかかるかもしれません。逆に「かかると思っていた」場合も、実はかからないかもしれません。
不安な場合は、税理士や金融機関の相続相談窓口に相談することをお勧めします。今から準備しておくことで、後々の手続きがスムーズになり、遺族の負担も減ります。
⚠️ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の状況については、年金事務所・市区町村の窓口・専門家にご相談ください。