家族の介護のために仕事を辞める「介護離職」は年間10万人以上。辞める前に知っておきたい介護休業・介護休暇・介護給付金の制度をわかりやすく解説します。
更新日:2026-04-01
「介護休業」と「介護休暇」は似ていますが、内容が異なります。
【介護休業】
1人の対象家族につき通算93日まで取得できる長期の休業。3回に分けて取ることができます。育児介護休業法に基づく権利であり、会社に申し出ることで取得できます。
【介護休暇】
1年間に5日(介護が必要な対象家族が2人以上なら10日)まで取得できる短期の休暇。1日単位・半日単位・時間単位で取得できます。通院の付き添い・役所の手続きなどに活用できます。
介護休業中は雇用保険から「介護休業給付金」が支給されます。
支給額:休業開始前の賃金の67%
支給期間:介護休業を取得した日から最大93日分
手続きは会社を通じてハローワークに申請します。会社の人事・総務担当者に「介護休業を取りたい」と伝えれば、手続きを案内してもらえます。
給付金があることを知らずに仕事を辞めてしまう方も多いため、必ず確認しましょう。
介護休業以外にも、介護をしながら働き続けるための制度があります。
・所定労働時間の短縮(短時間勤務):1日の労働時間を短くできる
・フレックスタイム制の利用:出勤・退勤時間を柔軟に設定できる
・始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ
・深夜業(午後10時〜午前5時)の免除
これらの制度は介護が必要な状態が続く限り利用できます(連続する3年以上の期間)。会社が制度を設けていなくても、育児介護休業法に基づいて会社に整備を求めることができます。
介護休業を取得するには、開始予定日の2週間前までに会社に書面で申し出る必要があります。
【申し出に必要な内容】
・対象家族の氏名・続柄
・対象家族が要介護状態にある旨
・休業開始予定日・終了予定日
会社は原則として拒否できません。ただし、入社1年未満の方や、週の所定労働日数が2日以下の方は対象外となる場合があります。
介護休業の取得を理由とした解雇・降格・不利益な扱いは法律で禁止されています。
介護のために仕事を辞める前に、必ず以下を確認してください。
1. 会社の制度を確認する:介護休業・短時間勤務・テレワーク制度を活用できないか人事に相談する
2. 介護保険サービスを最大限使う:訪問介護・デイサービスで介護の負担を分担できないか検討する
3. 地域包括支援センターに相談する:利用できるサービスや給付の見落としがないか確認する
介護離職すると、再就職が難しくなる・自分が病気になった際の生活費がなくなるなどのリスクがあります。「介護のために仕事を辞めるしかない」と感じたら、まず相談することをお勧めします。
⚠️ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の状況については、年金事務所・市区町村の窓口・専門家にご相談ください。