65歳以降も働きながら年金を受け取る場合、「在職老齢年金」の仕組みにより年金が減額されることがあります。減額される条件・計算方法・損しないための対策を解説します。
更新日:2026-04-01
65歳以降も会社員・公務員として働きながら厚生年金を受け取る場合、給与(報酬)と年金の合計額が一定以上になると、年金の一部または全部が支給停止される仕組みを「在職老齢年金」といいます。
「年金をもらいながら働くと損」と言われることがありますが、すべての人が減額されるわけではありません。条件に当てはまる場合にのみ減額されます。
65歳以上の場合、「総報酬月額相当額」と「年金月額」の合計が月50万円を超えると、超えた分の半分が年金から支給停止されます。
総報酬月額相当額 = 標準報酬月額 + 直近1年間の賞与合計 ÷ 12
【例】
・年金月額:15万円
・総報酬月額相当額:38万円
・合計:53万円(50万円超過3万円)
→ 年金支給停止額:3万円 ÷ 2 = 1.5万円/月
→ 実際の受取年金:13.5万円/月
月収38万円以下の方は多くの場合影響を受けません。
60〜64歳で働きながら特別支給の老齢厚生年金を受け取る場合は、基準額が異なります。
・支給停止の基準:月50万円(2024年度、65歳以上と同じ水準に統一)
2022年4月の改正で、60〜64歳の基準額が引き上げられ、働きながら年金を受け取りやすくなりました。
国民年金(老齢基礎年金)は在職老齢年金の対象外です。厚生年金部分のみが調整対象になります。
2022年4月から「在職定時改定」の制度が始まりました。これは65歳以上の在職者の年金額を毎年10月に改定する制度です。
これにより、働き続けるほど毎年年金額が増えていく仕組みになりました。
従来は退職時(または70歳到達時)まで年金額が更新されませんでしたが、在職定時改定により「今年納めた保険料分」が翌年10月の年金額に反映されます。
つまり「年金をもらいながら働くほど、毎年少しずつ年金が増える」という形になります。
65歳以降も働く予定がある方は「そのまま受け取るべきか、繰り下げるべきか」悩む場面があります。
在職中に年金を受け取っても減額されてしまう場合、繰り下げを選ぶと:
・繰り下げ中は年金を受け取らない(減額もされない)
・退職後(または特定年齢)から増額された年金を受け取り始める
ただし繰り下げの「みなし増額」として、65歳時点の金額の0.7%×繰り下げ月数が増額されますが、在職中の支給停止分は増額の対象外です。
個別の試算は年金事務所(0120-657-557)で行ってもらえます。専門家への相談をおすすめします。
⚠️ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の状況については、年金事務所・市区町村の窓口・専門家にご相談ください。