離婚した場合、相手が受け取るはずだった年金を分割してもらえる「年金分割」制度があります。合意分割・3号分割の違い、手続き方法、もらえる金額の目安を解説します。
更新日:2026-04-01
年金分割とは、離婚した際に婚姻期間中の厚生年金記録を夫婦間で分割できる制度です。
専業主婦(夫)や収入の少ないパートナーが、相手の厚生年金の一部を自分の年金として受け取れるようになる仕組みです。
「年金を財産分与できる制度」とも言えます。老後の生活保障として重要な制度です。なお、年金分割はあくまで「記録の分割」であり、今すぐお金が振り込まれるわけではありません。将来の年金受取額が増える形になります。
年金分割には2種類あります。
【合意分割(2007年〜)】
婚姻期間全体の厚生年金記録を対象に、夫婦の合意によって分割割合(最大50%)を決める方法。離婚後2年以内に日本年金機構に請求する必要があります。合意できない場合は家庭裁判所で決定してもらえます。
【3号分割(2008年〜)】
2008年4月以降の婚姻期間に限り、第3号被保険者(主に専業主婦)が相手の同意なく自動的に2分の1に分割できる制度。こちらも離婚後2年以内に請求が必要です。
年金分割による受取額の増加は、相手の婚姻期間中の厚生年金額・婚姻期間の長さ・分割割合によって異なります。
目安として、婚姻期間20年・夫の厚生年金月15万円の場合、妻が50%分割を受けると月3〜5万円程度の年金が増えることがあります(実際は計算が複雑)。
正確な試算は日本年金機構の「年金分割のための情報通知書」を取得することで確認できます。これは離婚前でも請求でき、情報収集のために活用できます。
年金分割の手続きは、離婚が成立してから2年以内に行う必要があります。
【合意分割の手続き】
1. 最寄りの年金事務所で「年金分割のための情報通知書」を取得する
2. 夫婦で分割割合を合意し「合意書」を作成する(公正証書または公証役場での手続きを推奨)
3. 年金事務所に請求書と合意書を提出する
【3号分割のみの場合】
手続きは年金事務所への請求書提出のみ。相手の同意は不要です。
離婚後は感情的になりがちで請求を忘れることがあります。2年の期限を過ぎると請求できなくなるため注意が必要です。
以下の場合は年金分割の対象外または条件が限られます。
・国民年金のみ加入の場合(自営業者同士など):厚生年金記録がないため分割できません
・婚姻期間が短い場合:分割される額がごく少額になることがあります
・離婚後2年を超えた場合:時効となり請求できなくなります
また、分割された年金は65歳から受け取れます(繰り上げ受給も可能)。分割した側の年金が増える一方で、分割される側の年金は減ります。
制度の詳細や試算は、年金事務所(0120-657-557)に相談してください。
⚠️ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の状況については、年金事務所・市区町村の窓口・専門家にご相談ください。