年金に関するすべての手続きを種類別にわかりやすく解説。年金受給の開始申請から、住所変更・死亡届・離婚時の年金分割まで、必要書類と手順をまとめました。
更新日:2026-04-06
📋 この記事の目次
年金の手続きは「受給開始」だけではありません。ライフイベントに応じてさまざまな手続きが必要になります。
【受給前の手続き】
・年金受給の開始申請(65歳前後)
・繰り上げ受給の申請(60〜64歳)
・繰り下げ受給の申請(66〜75歳)
【受給中の手続き】
・住所変更の届け出
・氏名変更の届け出(結婚・離婚)
・受取口座の変更
・年金受給者現況届(生存確認)
【特別な事情が生じた場合の手続き】
・年金受給者が亡くなったときの「受給停止・死亡届」
・離婚時の「年金分割」
・障害が残ったときの「障害年金」申請
・配偶者が亡くなったときの「遺族年金」申請
この記事ではそれぞれの手続きの窓口・必要書類・期限をわかりやすく説明します。
年金は申請しないと自動的には支払われません。65歳になる前に必ず手続きを行いましょう。
【いつ手続きするか】
65歳になる2〜3ヶ月前に、日本年金機構から「年金請求書(事前送付分)」が届きます。届いたら、誕生日の前日から申請できます。手続きをしなくても遡って最大5年分は受け取れますが、できるだけ早めに手続きすることをお勧めします。
【どこで手続きするか】
・最寄りの年金事務所(厚生年金に加入していた方を含む全員)
・市区町村の国民年金窓口(国民年金のみの方)
・郵送での申請も可能
【必要書類】
・年金請求書(届いたもの)
・戸籍謄本または戸籍抄本(3ヶ月以内発行)
・住民票の写し(マイナンバーを記入した場合は不要なことも)
・本人名義の銀行通帳またはキャッシュカード
・マイナンバーカードまたは基礎年金番号通知書・年金手帳
・印鑑(認め印でOK)
【手続きにかかる時間】
申請後1〜3ヶ月程度で審査が完了し、指定口座に年金が振り込まれます。初回は2ヶ月分まとめて振り込まれることが多いです。
年金は65歳が標準ですが、受給開始時期を早めたり(繰り上げ)、遅らせたり(繰り下げ)することができます。
【繰り上げ受給(60〜64歳で受け取る)】
手続き場所:年金事務所または市区町村窓口
必要書類:年金請求書・身分証・通帳など(通常の申請と同様)
注意点:1ヶ月早めるごとに0.4%永続的に減額。最大60歳開始で24%減。一度選ぶと取り消し不可。障害年金・遺族年金との併給制限もある。
【繰り下げ受給(66〜75歳まで待つ)】
申請方法:実際に受け取り始めたい月の3ヶ月前までに年金事務所に申し出る。または特段の手続きなしで待つことも可能。
増額率:1ヶ月ごとに0.7%増額。70歳まで待つと42%増、75歳まで待つと最大84%増。
注意点:待っている間に亡くなると繰り下げ増額の恩恵は受けられない。在職中で高収入の場合は在職老齢年金により減額になる可能性。
引越しや結婚・離婚などで住所・氏名・受取口座が変わった場合は、速やかに届け出が必要です。
【住所変更の手続き】
必要書類:住所変更届(年金事務所またはねんきんネットからダウンロード)
マイナンバーを年金機構に提供済みの方は、住民票の変更が自動反映されるため届け出不要な場合があります。不安なら年金事務所かねんきんダイヤルで確認を。
【氏名変更の手続き】
手続き窓口:年金事務所または市区町村窓口
必要書類:氏名変更届・新戸籍謄本・身分証明書
期限:変更後すみやかに(遅延しても5年以内であれば手続き可能)
【受取口座変更の手続き】
手続き方法:年金事務所の窓口またはねんきんネット(オンライン)
必要書類:受取機関変更届・新口座の通帳またはキャッシュカード
時間:変更手続きから実際に新口座への振込が始まるまで1〜2ヶ月かかります。旧口座はすぐに解約しないよう注意。
年金を受け取っていた方が亡くなった場合、速やかに「受給停止の手続き」と「未支給年金の請求」が必要です。
【受給停止の手続き】
期限:死亡後10日以内(国民年金)または14日以内(厚生年金)
手続き窓口:年金事務所または市区町村窓口
必要書類:年金受給権者死亡届・戸籍謄本(死亡の記載あり)・年金証書
手続きが遅れると、その後に振り込まれた年金(過払い)を返還しなければならないため、できるだけ早く手続きしましょう。
【未支給年金の請求】
亡くなった月まで発生した年金のうち、まだ受け取っていない分(未支給年金)を相続人が受け取ることができます。
受け取れる人:生計を同一にしていた配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹(この順序で優先)
期限:死亡後5年以内
必要書類:未支給年金請求書・請求者の戸籍謄本・住民票・銀行通帳
【亡くなった方の年金を不正に受給し続けることは犯罪です】
気づかずに受け取った場合も返還義務がありますので、すみやかに年金事務所に相談してください。
離婚した場合、婚姻期間中に夫婦で保険料を支払った厚生年金・共済年金を分割できる制度があります。
【合意分割(話し合いで決める)】
・婚姻期間中の厚生年金の記録を最大50%まで分割できる
・夫婦双方の合意が必要(調停や審判でも可)
・手続き期限:離婚成立から2年以内
【3号分割(専業主婦・扶養内パート向け)】
・2008年4月以降の婚姻期間のみ対象
・相手の同意なしに自動的に50%分割できる
・手続き期限:離婚成立から2年以内
【手続き窓口と必要書類】
窓口:年金事務所または年金相談センター
必要書類:標準報酬改定請求書・離婚成立を証明する書類(戸籍謄本など)・按分割合を定めた書類(合意分割の場合は公正証書など)
【注意点】
・分割された年金は、自分の年金受給開始年齢になって初めて受け取れます
・国民年金(基礎年金部分)は分割の対象外です
年金手続きで「書類が足りなかった」「窓口で長時間待った」という失敗を防ぐためのコツをご紹介します。
【コツ1:事前に電話で確認する】
どんな手続きでも、事前にねんきんダイヤル(0570-05-1165)に電話して「必要な書類」を確認しましょう。窓口で書類不備が発覚すると、出直しになります。
【コツ2:予約してから窓口へ】
年金事務所は午前中・月曜・月末が特に混雑します。ねんきんネットまたは電話で予約すると待ち時間を大幅に減らせます。
【コツ3:ねんきんネットを活用する】
パソコン・スマートフォンから無料で、年金加入歴・受給見込額の確認、住所変更などができます。マイナポータル連携で使いやすくなっています。
【コツ4:書類は「3ヶ月以内」に注意】
戸籍謄本・住民票は発行から3ヶ月以内のものが必要です。早く準備しすぎて期限切れになるケースがあります。窓口に行く直前に取得しましょう。
【コツ5:代理人での手続きも可能】
本人が来所できない場合、家族が代理で手続きできます。委任状と代理人の身分証が必要です。事前にねんきんダイヤルで確認してください。
A. 最寄りの年金事務所、または市区町村の国民年金窓口で手続きできます。郵送での手続きやねんきんネット(インターネット)でできる手続きもあります。まずはねんきんダイヤル(0570-05-1165)に電話して、どの窓口で何の書類が必要かを確認するのが確実です。
A. 手続きの種類によって異なりますが、共通して必要なものは①マイナンバーカードまたは年金手帳②本人確認書類(運転免許証など)③銀行通帳またはキャッシュカード(口座確認用)④戸籍謄本(3ヶ月以内発行)⑤住民票です。手続きごとに追加書類が必要な場合もあるため、事前にねんきんダイヤルで確認することをお勧めします。
A. はい、時効の関係で過去5年分まで遡って受け取ることができます。6年以上前の分は時効により請求できません。気づいたらすぐに年金事務所または市区町村窓口に相談しましょう。
A. 年金受給の開始申請をはじめ、多くの手続きが郵送でできます。日本年金機構のウェブサイトから様式をダウンロードし、必要書類を同封して送付します。ただし、書類に不備があると時間がかかるため、急ぎの場合は窓口来所か電話での確認をお勧めします。
A. はい、本人が来所できない場合は代理人(家族など)が手続きできます。その際は①本人の委任状(または法定後見人の証明書)②代理人の身分証明書③本人の身分証明書のコピーが必要です。詳細は事前にねんきんダイヤルにご確認ください。
⚠️ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の状況については、年金事務所・市区町村の窓口・専門家にご相談ください。