相続人が複数いる場合、誰がどの財産を引き継ぐかを決める「遺産分割」が必要です。協議・調停・審判の3段階の流れと、よくあるトラブルの防止策をわかりやすく解説します。
更新日:2026-04-01
亡くなった方の財産(遺産)を相続人間でどう分けるかを決めることを「遺産分割」といいます。
遺言書がある場合は基本的にその内容に従います。遺言書がない場合は、相続人全員で話し合って決めます(遺産分割協議)。
遺産分割が完了するまで、財産は相続人全員の共有状態になります。不動産の売却・銀行口座の解約なども遺産分割が完了するまでは単独ではできません。
遺産分割協議は相続人全員で話し合い、全員が合意することで成立します。
【流れ】
1. 相続人を確定する(被相続人の出生〜死亡までの戸籍謄本を取得)
2. 遺産を調査する(預貯金・不動産・株・借金など)
3. 全員で分割内容を話し合う
4. 合意したら「遺産分割協議書」を作成する
5. 全員が署名・実印を押す
6. 各財産の名義変更手続きを行う
相続人の中に未成年者がいる場合は、家庭裁判所で「特別代理人」を選任する必要があります。
相続人間で話し合いが進まない・まとまらない場合は、家庭裁判所に「遺産分割調停」を申し立てることができます。
調停は裁判官と調停委員が仲裁役となり、各相続人から事情を聴きながら合意形成を目指します。
・非公開で行われる
・弁護士なしでも申立て可能(ただし弁護士同行を推奨)
・申立費用は印紙代1,200円と郵送費のみ
調停は数回の期日を経て数ヶ月〜1年以上かかることもあります。
調停でも合意できない場合は「遺産分割審判」に移行します。審判では家庭裁判所の裁判官が分割方法を決定します。
審判の特徴:
・裁判官が遺産の評価・分割方法を判断する
・相続人の意向にかかわらず決定される
・不動産は「競売」となる場合がある
・審判に不服がある場合は2週間以内に高等裁判所に即時抗告できる
審判まで進むと時間・費用ともに大きな負担になります。弁護士への相談をおすすめします。
遺産分割でのトラブルを防ぐには、生前の準備が最も効果的です。
・遺言書を作成する:法的に有効な遺言書(自筆証書または公正証書)を作成しておくと、相続人間の争いを大幅に減らせます。
・財産の目録を作る:「エンディングノート」などに財産・負債の一覧を書いておくと、相続人が遺産を把握しやすくなります。
・生前に気持ちを伝える:「なぜこの分け方にしたいか」を家族に伝えておくことで、感情的なトラブルを防ぎやすくなります。
特に「特定の子に多く渡したい」「不動産をどうするか」など複雑な事情がある場合は、早めに公証役場や弁護士に相談しましょう。
⚠️ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の状況については、年金事務所・市区町村の窓口・専門家にご相談ください。