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生前贈与とは?相続税対策としての活用方法と注意点

相続税の負担を減らす方法として注目される「生前贈与」。年間110万円の非課税枠の使い方、2024年の税制改正による変更点、注意すべき「名義預金」の問題を解説します。

更新日:2026-04-01

この記事の目次

  1. 生前贈与とは何か?
  2. 2024年税制改正で何が変わった?
  3. 贈与を有効にするための注意点
  4. 住宅取得資金や教育資金への贈与は優遇あり
  5. 相続時精算課税制度も選択肢に

生前贈与とは何か?

生前贈与とは、生きている間に財産を他の人に贈ることです。相続と異なり、贈与は当事者の意思によって行われます。

贈与には贈与税がかかりますが、年間110万円以下の贈与は非課税です(基礎控除)。この非課税枠を毎年使うことで、相続財産を少しずつ減らし、将来の相続税を減らすことができます。

例えば、子2人に毎年110万円ずつ贈与すると、10年間で合計2,200万円が非課税で移転できます。

2024年税制改正で何が変わった?

2024年1月から、生前贈与の「持ち戻し期間」が延長されました。

【改正前】亡くなる前3年以内の贈与は相続財産に加算

【改正後】亡くなる前7年以内の贈与は相続財産に加算(2024年以降の贈与から順次適用)

この改正により「亡くなる直前の贈与だけでは節税効果が薄い」状況になりました。早めに計画的に贈与を始めることがより重要になっています。

ただし、相続開始前4〜7年の贈与については合計100万円まで加算不要の緩和措置があります。

贈与を有効にするための注意点

生前贈与が税務署に認められるためには、きちんと「贈与の実態」があることが重要です。

【やってはいけないこと】

・親が子の名義で口座を作り、親がお金を管理する(名義預金と判断される)

・毎年同じ日に同じ金額を贈与する(定期贈与とみなされる場合がある)

・贈与契約書を作らない

【推奨すること】

・贈与契約書を毎年作成する

・贈与後は受取人が自分で口座を管理する

・振り込みで記録を残す(現金手渡しは避ける)

・年によって金額を変える

住宅取得資金や教育資金への贈与は優遇あり

一定の目的の贈与には、年間110万円を超えても非課税になる特例があります。

・住宅取得等資金の贈与:最大1,000万円まで非課税(省エネ住宅は1,000万円)

・教育資金の一括贈与:子・孫への教育資金は最大1,500万円まで非課税

・結婚・子育て資金の贈与:最大1,000万円まで非課税

これらの特例は適用要件が細かく、税務署への申告も必要です。利用する際は必ず税理士に確認しましょう。

相続時精算課税制度も選択肢に

「相続時精算課税制度」は、親や祖父母から子・孫への贈与について、贈与時に2,500万円まで非課税とし、相続時に相続財産に加算して相続税を計算する制度です。

2024年改正で年間110万円の基礎控除が新設され、より使いやすくなりました。

【向いているケース】

・不動産や自社株など、価値が上がりそうな財産を早めに移転したい

・相続税の節税より、財産を早めに渡したい(事業承継など)

一度選択すると撤回できないため、事前に税理士に相談することをおすすめします。

よくある質問

Q. 生前贈与は毎年いくらまで非課税ですか?

A. 年間110万円以下の贈与は非課税です(暦年課税の基礎控除)。複数人への贈与それぞれが110万円以下なら問題ありません。

Q. 生前贈与の手続きに必要なものは何ですか?

A. 法律上は書面不要ですが、税務署の調査に備えて贈与契約書を作成し、銀行振り込みで記録を残すことを強くおすすめします。

Q. 2024年の改正で何が変わりましたか?

A. 亡くなる前の贈与が相続財産に加算される期間が3年から7年に延長されました。早めに計画的な贈与を始めることがより重要になりました。

⚠️ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の状況については、年金事務所・市区町村の窓口・専門家にご相談ください。

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